事例に学ぶ事業承継
わたしたちがこれまでにお手伝いをさせていただいた事例のご紹介をします。
業種 | 製造・小売業 | 業務内容 | 墓石等の石材製品加工・販売 |
創業 | 昭和43年 | 従業員 | 5人(親族のみ) |
代表者年齢 | 79歳 | 地域 | 西三河 |
資本金 | 個人事業主 | 売上高 | 37,000千円 |
業種 | 製造・小売業 |
業務内容 | 墓石等の石材製品加工・販売 |
創業 | 昭和43年 |
従業員 | 5人(親族のみ) |
代表者年齢 | 79歳 |
地域 | 西三河 |
資本金 | 個人事業主 |
売上高 | 37,000千円 |
1.事業継承に至った経緯
創業者である現代表も高齢となり、事業の運営そのものは概ね子息世代に承継が進みつつあるものの、財産面については特段進展がなく、漠然とした不安の中経営していました。また、周囲の支援機関からは前向きな意見もあまり見られず、後継子息世代(ご兄弟)の不安は増すばかりでした。そんな中、後継子息のご兄弟より事業承継相談を受けることとなりました。相談内容は、財産面を含めた「スムーズな事業承継」を進める上での諸活動の可視化と、それにまつわる各支援機関との連携体制の強化を画策したいとのことでした。
2.事業承継における現状
当事業者は「個人事業主」であるため、事業用資産・資金の前面において現代表である父の個人資産であります。また、経営形態としては、現代表は現場の第一線からは離れており、主要売上・取引先との関係・事業運営ともに、後継子息の3兄弟が分担して行っています。
3.事業承継に係る課題とその対応策
(1)「法人化」をにらんだ、中期経営計画の策定
当座の経営的な承継については概ね進んでいたものの、「今後のスムーズな承継・経営の継続」を鑑みた場合、「安定的な成長軌道を描けるかどうか?」「後継子息世代が今後拠り所となるべく、経営ビジョン・コンセプトはどうか?」といった面が必要不可欠であると考えました。
そのため、中小企業診断士を専門家として派遣し、中期経営計画の策定を行った。計画策定にあたって、「後継子息世代の3名が、今後も対等の立場で仲良く経営に参画したい」「過度に成長を模索せずとも、安定的な家族経営を目指せるような体制づくり・規模を作り上げたい」「従前の事業に固執せず、関連性のある範囲で多角化も考えてみたい」といった“後継なりの思い”に真正面から向き合い、地域市場データやマーケティング戦略等の裏付けを持たせ、専門家からの「毎回の宿題」に応える形で事業者は着実に計画を可視化させていきました。
また、中期経営計画の可視化に合わせて、事業用資産などの個人資産も棚卸を図り、法人化スキームとの連動に向けた資産移行プランの検討も行いました。
(2)「法人化移行スキーム」に向けた、関係支援機関への協力要請
個人事業から法人への転換となると、金融機関を中心に支援機関としては事情が変わる部分が存在します(例:融資に対する取り扱い、など)。そのため、専門家支援の下、実現性ある成長軌道を描いた中期経営計画や新設法人体制(案)などとともに、金融機関へのプレゼン準備を行いました。また、他にも有力な支援者ともいえる「顧問税理士」に向けては、個人事業資産の移行や、今後来たりうる相続に向けてのリスク・対策について共有を図るべく、準備を行いました。
4.サブマネージャーの所感
相談に見えた際は、漠然とした不安が大きく「何をどうしたらいいのだろう?」という思いばかりが先行する雰囲気が正直漂っていました。しかしながら、後継子息3名から「真なる仲の良さ」「内に秘めたる闘志」、そして「専門家支援を通じて、しっかり学び行動につなげるんだ」という向学心が、この専門家派遣を通じて日増しに高まっていくのが見て取れるように伝わってきました。
今後は、策定した事業承継計画(案)がスタートラインになって、3名が一致団結して活動していくものと思われます。一定期間を経過したのち、モニタリングとして訪問できればと考えています。